過去問・日本大学商学部(3年次編入試験・2018年度)

以下の2つの点について合わせて720字以上800字以内で述べなさい。
「大都市と地方の間で経済発展の差が拡大している」と言われる。
1.地域間格差が拡大している理由は何か。
2.地域間格差を縮小させるために企業、国、自治体はどのように取り組むべきか。

解答の着想
1.
ここでは「漏れバケツ」という考え方を紹介する。なぜなら持続的な経済成長は経済循環に依拠することが不可欠と考えるからだ。

※以下、マクロ経済学分野の「国民所得の決定」「乗数効果」あたりを既習として説明する。

2.
いま観光地として知られるM市を考える。M市で暮らす人々の総所得Y、限界消費性向c、M市で暮らす人々の総消費C=cY のすべてがM市内でなされているとする。さて観光などでやってきたM市外の人が、M市でΔCだけ消費をすると、M市内の総消費は乗数効果で ΔC/(1-c)だけ増える。仮に限界消費性向c=0.5であれば、観光客の経済効果は彼らがM市内で使った金額の2倍である。

3.
ではここでM市で暮らす人々の消費が、割合 m (0≦m≦1)だけM市内でなされると考えよう。上ではm=1の場合を計算した。さて観光客がΔCだけ消費をすると、M市内の消費はΔC/(1-cm)だけ増えるから、仮に限界消費性向c=0.5で、仮にm=0.4であれば、観光客の経済効果は彼らがM市内で使った金額の1.25倍である。

4.
たとえばM市内の建設工事が、M市外の業者の手で行われれば、市外へお金が流出するのは当然にせよ、観光客の経済効果までもが市外へ漏れ出すことは留意したい。こうした考え方を「漏れバケツ」という。M市にとっては観光業であるが、もしも域内の優れた産業への特化を強めたとしても、それが他の産業を弱体化させるようであれば、とんでもない逆効果となりかねないのである。

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