過去問・中村学園大学流通科学部流通科学科(3年次編入試験・2023年度)

次の文章(著作権の関係で割愛)を読んで、以下の設問に答えなさい。

設問1.200字以内で要約しなさい(一部改訂)
解答例
eスポーツはデジタルゲーム競技を総称する略称だ。2020年末時点でプレイヤー人口は約27億人、モバイル端末で遊ぶ人は約25億人だ。すきま時間で誰もが気軽に遊んでいる。子どもやギークの遊びだった家庭用ゲーム機の印象では、現代のeスポーツを語り尽くす事はできない。eスポーツは、今までのゲーム文化同様、漫画、アニメ、グッズや音楽イベント等で多くの人を巻き込んで社会に認知され、一つの文化になるだろうか。

設問2.eスポーツが文化となるための可能性について、あなたの考えを述べなさい。(一部改訂)

解答の着想
出題文の通り、従来のゲーム文化のように、企業のメディアミックス戦略に乗って多くのタッチポイントで人々に体験してもらう事は重大だ。一部の強豪プロゲーマーがもてはやされるだけでは文化力は弱いかもしれない。もしもeスポーツが、インクルーシブな魅力(後述)に富んだものであれば、供給に対応する潜在的な需要は厚いだろう。そしてeスポーツは球技等と異なり、体格、性別、国籍や障害の有無さえも越えて多くの人が参加できる競技であるから、競技シーンが持つインクルーシブな魅力は確かにある。例えばボッチャと言うスポーツが精神障害者の間で盛んであるが、障害者福祉施設や病院のリハビリ(デイケア等)で、今後eスポーツがボッチャに取って代わる可能性も十分あるだろう。そうした面を評価したとき、やはり一部の強豪プロゲーマーが牽引する世界観というよりは、ライトユーザーや初心者の「やってみた」的な盛り上がり方を上手く保護していきたいだろう。経済としても、ゲーム会社等の企業が経営戦略で貨幣的価値を追求しながら、eスポーツ文化という必ずしも貨幣的でない価値を追求する傾向があれば、市場で達成しにくい価値に注意を払うという意味で、それは善い事だと思われる。

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