過去問・神戸学院大学経営学部経営学科(3年次編入試験・2022年度)

М&A(Marge and Acquisitions 合併と買収)の成功と失敗を分ける要因は何だろうか、具体的な事例と私見をまじえて、800字程度で論述しなさい。(一部改訂)

解答の着想
※曖昧さ回避:2015年、持株会社のソフトバンク株式会社はソフトバンクグループ株式会社に商号変更した。

2006年、ソフトバンクは、業績不振の英ボーダフォン日本法人を買収し、ソフトバンクモバイルを立ち上げた。新会社にて事業を立て直して国内大手の座を確固たるものにした。
その後のソフトバンク海外進出計画とは、アメリカで、携帯電話会社のスプリントと独TモバイルUSを合併し、大手携帯電話会社を立ち上げることだった。
2013年、ソフトバンクは、当時アメリカ3位なるも経営危機の只中だったスプリントを買収した。しかし当初の大きな計画は、当局が、アメリカで携帯電話会社の寡占化が進む事に難色を示したことで、断念させられてしまう。これが誤算だった。ソフトバンクモバイルのノウハウでスプリントを立て直すと言えば前向きだ。しかし、実際は経営難のスプリントの買手(売却先)が見当たらず、ソフトバンクグループで再建を余儀なくされていたのだ。そして再建は上手くいかず、先述のTモバイルUSにアメリカ3位の座を奪われてしまう。
2020年4月、当局の許しを得てTモバイルUSとスプリントは合併した。合併後のTモバイルUSにおけるソフトバンクグループの株式保有比率は約24%に低下した。6月には、その3分の2を売却した。アメリカの通信事業から事実上の徹退となった。

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