過去問・中央大学法学部(3年次編入試験・2019年度)

法学一般
2009年5月から開始された日本の裁判員制度の概要について説明した上で、国民の司法参加という観点から、同制度を今後も維持していくべきかどうかについて、論拠をあげて、私見を述べなさい。

解答の着想
1.
裁判員制度がはじまる前:国民は、法曹への信頼に基づき、司法を信頼していた。しかし極端な事件について、一般常識の見地から、司法判断について思うことがあった。
裁判員制度が期待すること:国民は、国民が刑事裁判へ直接参加することで、司法をより信頼し理解するだろう。
⇒極端な事件について、一般常識の見地から思うことが、直接に司法判断につながる。

2.
裁判員の仕事は、(1)事実認定、(2)有罪・無罪の判断、(3)量刑の判断である。

3.
裁判員裁判の対象となるのは一定に重大な犯罪である。法律の素人である裁判員が仕事をするうえで負担・不安の大きい場面もあると考えられており、実際に内閣府が2009年に行った「裁判員制度に関する世論調査」から裁判員の負担・不安のほどがわかる。https://survey.gov-online.go.jp/h21/h21-saiban/index.html

  • 被害者の死亡した傷害事件:殺意の有無で量刑が大きく変わる。殺意があれば殺人罪に問われる場合があり、なければ傷害致死罪に問われる場合がある。
  • 危険運転:自動車事故の直前に事故に結びつく故意の行為の有無で量刑が大きく変わる。あれば危険運転致死傷罪に問われる場合があり、なければ業務上過失致死傷罪に問われる場合がある。

4.
日本は、法曹の人数がアメリカ、イギリス、フランスなどと比べると少ない。特に弁護士の多くが大都市に集中している。日本人にとって裁判とは身近ではない。
⇒裁判員制度を含めた司法制度改革へ

5.
国民の司法参加を論じるうえで重大な知識として、検察審査会というものがある。2010年までに検察審査会が審査した事件は15万件であり、検察審査会が出した結論に基づいて、検察官が再検討したのち、起訴された事件は1400件を超える。
http://www.kensatsu.go.jp/shinsakai/ 

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