過去問・ 埼玉大学教養学部現代社会専修課程(3年次編入試験・2019年度)

マスメディア(新聞やテレビなど)とインターネットは、それぞれ世論形成においてどのような役割を担うか、また世論形成において相互にどのように関連しあうかを、できるだけ具体的な例を用いて説明しなさい。(600字以上800字以内)

解答例(最終更新 2020/6/29)
マス・コミュニケーション(不特定多数の大衆への伝達)の媒体としてマス・メディアとは、テレビ、ラジオ、インターネット、新聞、雑誌、書籍などが挙げられる。インターネット上のコミュニケーションとして特にマス・コミュニケーションでない、つまりマスメディアと区別されるインターネットとは、およそSNS(フェイスブック、Twitter、LINE)であり、ユーザの排他性と協調性のもと形成された社会的ネットワークに沿ったコミュニケーションの仕組みと考えられる。

一方の世論とは、社会的な過程を経て形成された公論である。ここで社会的な過程とは、公衆の討論(c.f. 市民的公共性)だったり、マスメディアの「わかりやすい」物語の生産(c.f. 疑似環境)だったりする。例えばTwitterは、ユーザ達によって闊達な討論がなされたり、マスメディア懐疑論が展開されたり、メタ的な風刺がなされたりするから前者的だと思われる。

さてマスメディアとインターネットが双方向的に影響し合った事例として、第25回参院選で国政に進出したNHKから国民を守る党(N国)を挙げよう。彼らが過激発言と共にテレビに露出すると、面白いと思った人が様子をTwitterに何度も投稿した。さらにそれを面白いと思った人達を大いに巻き込んだ(c.f. バズる)。そうしたインターネット上のコミュニケーションが再度テレビで取り上げられると、また不特定多数がこれを知るのである。これが、N国を国政進出に至らしめた情報の伝搬と考えられ、世論形成の社会的過程におけるマスメディアとインターネットの双方向的な影響としては昨今典型的なものだと思われる。(702字)

【参考】
『社会学をつかむ』西澤晃彦・渋谷望著 有斐閣

【関連する発展的な出題】関西大学社会学部メディア専攻(3年次編入試験・2020年度)「マス・コミュニケーションの定義を述べなさい。そのうえで、インターネット上のコミュニケーションはそれとどのように異なるのか、具体的な事例を用いながら書きなさい。」

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