過去問・埼玉大学教養学部グローバル・ガバナンス専修課程(3年次編入試験・2021年度)

冷戦終結から約30年が経過した。この間、日本を取り巻く東アジアの安全保障環境は大きく変化したといわれる。その変化を、次の概念(「極の構造」、「同盟」、「政治体制」)に関連する事実を含めながら、具体的に解説しなさい。

解答の着想
「極」とは、中心性と求心力のある勢力だ。「単極」とは極が単数(c.f.およそ冷戦崩壊から同時多発テロ事件までのアメリカ)、「双極」は極が二つ(c.f.冷戦時代の米ロ)、「多極」は極が三つ以上(c.f.同時多発テロからBRICs台頭を経て現代は多極化)の国際システムのことをいう。ここで東アジアを、日本、中国(香港含む)、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムと定義した際、極構造を論じるにまず大国とは中国だろう。それに対する親米四ヵ国(日本、台湾、韓国、ベトナム)というグループ分けが可能と思われる。ベトナムは冷戦時代のベトナム戦争のイメージが先行するかもしれないが、1986年ドイモイ政策(c.f.社会主義的市場経済の志向)の後に1995年アメリカと和解している。しかしその本当の理由は冷戦終結後の中国の軍事的台頭(c.f.1996年3月の第三次台湾海峡危機)に備えるためだと考えることもできる。中国の軍事的台頭とは2010年代には東シナ海、南シナ海への海洋進出が重大で、その結果、南沙諸島、西沙諸島などの領有権をめぐり、中国は、フィリピンやベトナムなど周辺国と激しく対立している。アメリカとフィリピンは相互防衛関係にあり、アメリカからみたフィリピンとは冷戦後の対テロ、対中の最前線であるも駐屯する米軍の規模は小さい。また2021年1月現在、台湾、ベトナムに米軍は駐屯しておらず、どちらかと言えば米中の緩衝地帯に近い東アジアを考えることができる。
このように自信をもっていっぱい書きましょう!【参考:『国際政治史 主権国家体系のあゆみ』著)小川浩之、板橋拓巳、青野利彦】

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