条約法条約第38条
条約法に関する一般条約で、国連国際法委員会が条約に関する慣習国際法を法典化したもの。国際社会の発展に伴い、締結される条約が急増し、内容も多様化したため、慣習法規からなる条約法の規則では現実の発展に十分に対応できなくなった。第38条では「国際慣習となることにより第三国を拘束することとなる条約の規則」が定められており、条約に規定されている規則が国際法の慣習的規則と認められるものとして、第三国を拘束することを妨げるものではないとされている。
自動執行条約
国内裁判所で条約が適用される際の指標となるもの。もともとはアメリカの判例の指標である。「( 条約が ) 連邦議会の立法措置を待たずして,それ自体で作用すること 」と定義されている。国際法において自動実行性が認められる場合があるが、最終的に各国の国内裁判所の判決によって決定される。国民の権利義務を定めた内容を含む条約であるかどうか、慣習国際法であるかどうか、条約に規定された内容の実現に向けた国内実施原則をふまえた判断、の3点が基準となっている。
国際法の法典化
国連発足以来、主として総会と国連国際法委員会によって行われている。この委員会規程は、法典化を既存の慣行、先例、学説が存在している分野の規則を定式化し、体系化することと定義し、いまだ十分に発達していない分野の立法は漸進的発達を待つこととして区別している。作業のほとんどは、国際法のさまざまな側面に関して草案を作成することである。いくつかの項目は委員会自身が選ぶが、他は総会から委員会に付託される。
外交特権
国際法上、外国の外交使節団および外交官には、一般の外国人とは異なる特別の保護・待遇が与えられ、このことを指す。不可侵権および治外法権がこれにあたる。国家を代表してその名誉と威厳を維持し、任務を能率的に遂行する必要があることから与えられている。特権免除の根拠や範囲・内容については必ずしも統一されていなかったが、1961年に『外交関係に関するウィーン条約』が採択され法典化されたため,外交特権は国際法上明確なものとなった。
pacta tertiis nec nocent
「合意は第三国を害しも益しもしない」の意。国際法における条約の効力について、「合意は守らなければならない」とされており、直接条約を結んだ国以外の「第三国」とっての効力は「合意は第三国を害しも益しもしない」と言われ、特定の第三国が影響を受けないよう配慮しなければならない。しかし実際はスエズ運河条約、パナマ運河条約、パリ議定書など、第三国が利益を得た例もある。第三国に義務を課す場合、書面による明示の同意が必要だが、利益を付与する場合は厳格ではない。
※国際関係!徹底マスター用語解説で、用語は、国際関係のファカルティの編入学試験で出題された過去問題から選んでいます。