過去問・山梨県立大学人間福祉学部福祉コミュニティ学科(3年次編入試験・2022年度)

少子高齢化社会での社会保障制度の持続可能性について、あなたの考えを800字以内で述べなさい

解答例
少子高齢化社会での社会保障制度とは、30年程前であれば、年金制度について、増える高齢者を支える現役世代で将来負担が増すという予測が論じられやすかった。現役世代が働いて納める一人当たり社会保険料が高くなるだろうと考えられていた。現実には、税収が安定するという理由で、消費増税も加えて行われたことを忘れてはいけない。逆進性のある消費増税は経済的弱者ほど軽くない負担だ。社会保障制度とは、その範囲がしばしば議論されてきた。子育て支援など少子化対策は、学校給食無償化など、30年程時間をかけてより具体的な社会保障政策になってきた。特に子どもの貧困対策とは、ひとり親世帯や非正規雇用労働者の世帯を支える試みでもある。その財源が消費増税で賄われることは慎重になりたい。
ここで社会保障制度の持続可能性を論じるとは、マクロの財政だけではなく、ミクロのサプライサイドの充実、例えば子ども食堂で働くボランティアが確保されているか注意しなければならない。そのうえでシニア世代のボランティアが子ども食堂で働いている事は特筆に値する。これで、子ども食堂で、子供だけでなく老人も孤食から抜け出す事ができる。問題意識を持ち続けることで、必要なアイデアが生まれ、貨幣の支出、貨幣の循環では難しい面もクリアできるようになると思われる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA