過去問・名古屋大学経済学部(3年次編入試験・2015年度)

※出題文省略。ご自身で入手してください。
問1
■ 解答の着想(前半)
t期に訓練プログラムに(参加した/参加しなかった)
t+i期に(働いている/働いていない)
この二軸で四象限を貼り人数を数えたとき以下の分割表が描ける
⇒自由度1のカイ二乗検定

働いている 働いていない
参加した a b
参加しなかった c d

※こんなのは小学生レベルだと思った人はこちら
※検定ってなんやねんと思った人は仮説検定を読んでください
出題文のケースは、単に、a/(a+b)>c/(c+d)を確認しているけれど、それでもって必ずしも統計的に有意な差を確認できるとは限らない。

■解答の着想(後半)
「数学の補修を受けたら机に向かう習慣がついて英語の成績も伸びた」このとき「数学の補修」は「英語の成績」を伸ばす効果があると言えるだろうか。たとえばこの命題に結論を出すには重回帰分析がもっとも直感的な道具立てだ。「Y:英語の成績」を被説明変数、「X1:補修ダミー。数学の補修を受けたら1、受けなかったら0」と「X2:自宅で机に向かっていた時間」を説明変数にしたOLSで「X1」が有意な説明変数になるか。そのような検証が直感的である。※専門家の方へ。X1とX2の交差項が必要かどうか自信がありません!学生時代は両方のモデルを作ってました!

同様な考え方で、経済政策の効果を確認するさいも、パネルデータを元に、「Y:経済指標の時系列データ」を被説明変数とし「X1(政策ダミー):政策実施前なら0、実施後なら1」と「Xi (2≦i≦n):関連のありそうなn個の統計(時系列)データ」および必要に応じてX1とXiの交差項を作り、多変量解析を用いて、「X1(政策ダミー)」が有意な説明変数になるか。そのような分析が考えられる。※浅学が祟ってあまり詳しくないが、実際にそのような分析をするにあたっては、たとえば「自己相関係数」あたり学部3年次であれば習うため、考えなければならないことは非常に多いわけだが、編入学試験でどこまで問われるか考えたときに統計学科目は基本的な多変量解析の正確な理解がより重要だと思う(近年の阪大の過去問と比較して思う)。

詳しく勉強したい方は下記。

図書館で借りて読んだりすれば題意などおおよそ理解できると思われる。※内容を全て理解しようとすると編入学試験の受験勉強にしては辛すぎるので話のノリがわかる程度まで読めれば返却してよいと思います。毎年こんなような出題があるわけでもないし。
Google:多変量解析
Google:多変量解析 パネルデータ
さらにディープに行きたいかたは検索結果をサーフィンしてみてください。

問2
※問2は一意の解があります。記事一番上の画像を参考にしてください。

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