過去問・埼玉大学教養学部グローバル・ガバナンス専修(3年次編入試験・2019年度)

「民主的ガバナンス」を400字程度で説明せよ

解答例

民主的ガバナンスとは、発展途上国の経済開発を当該国民の参加を確保しながら行うための「よい統治(good governance)」であり、そしてこれは冷戦終結後の開発援助の課題の1つである。一部のエリートが、もっぱら自分達の利益を守るために政策を実施したり、権力者が私的な友人ネットワークを駆使した政治を行って腐敗や国民の信頼を失墜しての紛争を招いたり、そのような経済開発の遅延もなく、あるいは民衆が考える社会全体の利益を実現するように政府政策は執り行われるべきである。その方策として、民主制、法の支配の確立、行政部門の効率化と腐敗の防止、過大な軍事支出抑制と人権擁護などが提唱される。しかし民主的ガバナンスが経済開発において最善かは自明ではなく、たとえばインフラ整備などで反対する住民の声を聴くことで経済開発が遅延することもある点は留意したい。
【参考にした本】
『国際開発研究』p52-54、松岡俊二(編)
「民主的ガバナンス」という用語が索引にある本は少ない、その一方で「ガバナンス」なら索引にある本は多い。民主主義的な政治体制を採用しても、ここでいう民主的ガバナンスが採用されているとは限らない点は注意したい。また後半で述べられているように民主的ガバナンスが自動的に経済開発を促進するわけではない点も注意したい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA