文学の対策

良書の紹介

『日本文学24講』山本 健吉 (編集)

凄く面白かったです。

『高校生のための小説案内』梅田 卓夫 (編集), 服部 左右一 (編集), 清水 良典 (編集), 松川 由博 (編集)

凄く面白かったです。

『高校生のための批評入門』梅田 卓夫 (編集), 服部 左右一 (編集), 松川 由博 (編集), 清水 良典 (編集)

凄く面白かったです。

文学の勉強って何だろうな?

わかりません!

文学の対策って何だろうな?

有名な古典は現代語訳(解説)の本が沢山あるので、有名な古典の解説本は一通り読んでおきましょうよ。

伊勢物語

伊勢物語(三段~六段 二条の妃との悲恋)
三段

思ひあらば
葎の宿に
寝もしなむ
ひじきものには
袖をしつつも

好きな女の人がいて、その女の人と情をかわそうという男(主人公)がいます。主人公が女の人に歌を贈っています。歌の前半部分は「葎のしげる荒れた家でも構いませんよ?」、歌の後半部分は「衣の袖を敷物にして」と、言うわけです。ところで、実は主人公が女の人に贈ったものは、この歌だけではありませんでした。この歌と共に、「ひじき藻」を女の人に贈っています。どんな気持ちで主人公が、ダジャレかなと思ってしまうプレゼントをしたのでしょうか?

世の男性には、そのような洒落の利いたプレゼントで女の人の心を惹きつけることができると、真剣に思う人もいますからね。ここで、好きな女の人とは、入内する前の二条の妃。このあと皇族に嫁いぐひとが、まだ嫁いでいないため、まだ普通の身分だったころの話です。こう説明を付け加えると、一体どういうつもりなのかしら?と勘ぐってしまう人もいるかもしれませんね。

國學院大学文学部日本文学科(2019)過去問『伊勢物語』

六十五 在原なりける男
むかし、おほやけ思して(敬語でない動詞に直せ)つかうたまふ女の、色ゆるされたるありけり。大御息所とていますかり(終止形に直せ)けるいとこなりけり。殿上にさぶらひける在原なりける男の、まだいと若かりけるを、この女あひしりたりけり。男、女がたゆるされたりければ、女のある所に来てむかひをりければ、女、「いとかたはなり。身も亡びなむ、かくなせそ」といひければ、
思ふにはしのぶることぞまけにける(現代語に訳せ)あふにしかへばさもあらばあれ
といひて曹司におりたまへれば、例の、このみ曹司には、人の見るをもしらでのぼりゐければ、この女、思ひわびて里へゆく。されば、なにの、よきこと、と思ひて、いきかよひければ、みな人、聞きて笑ひけり(理由を説明せよ)つとめて(現代語に訳せ)、主殿司(とのもづかさ)の見るに、沓はとりて、奥になげ入れてのぼりぬ。
かくかたはにしつつありわたるに、身もいたづらになりぬべければ、つひに滅びぬべし(現代語に訳せ)、とて、この男、「いかにせむ、わがかかる心やめたまへ」と仏神にも申しけれど、いやまさりにのみおぼえ(終止形に直せ)つつ、なほわりなく恋しうのみおぼえければ、陰陽師、神巫(かむなぎ)よびて、恋せじといふ祓への具してなむいきける。祓へけるままに、いとど悲しきこと数まさりて、ありしよりけに(現代語に訳せ)恋しくのみおぼえければ、
恋せじとみたらし河にせしみそぎ神はうけ(終止形にせよ)ずもなりにけるかな
といひてなむいにける。
この帝(正式な天皇名を書け)は、顔かたちよくおはしまして、仏の御名を御心に入れて、御声はいと尊くて申したまふを聞きて、女はいたう泣きけり。「かかる君に仕うまつらで、宿世つたなく、悲しきこと、この男にほだされて」とてなむ泣きける。
かかるほどに、帝聞しめしつけて(敬語でない動詞に直せ)、この男をば流しつかはして(敬語でない動詞に直せ)ければ、この女のいとこの大御息所、女をばまかでさせて、蔵にこめてしをりたまうければ、蔵にこもりて泣きける。
あまの刈る藻にすむ虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ
と泣きをれば、この男、人の国(現代語に訳せ)より夜ごとに来(終止形にせよ)つつ、笛をいとおもしろく吹きて、声はをかしうてぞ、あはれにうたひける。かかれば、この女は蔵にこもりながら、それにぞあなるとは聞けど、あひ見るべきにもあらでなむありける。(現代語に訳せ)
さりともと思ふらむこそ悲しけれあるにもあらぬ身をしらずして
と思ひをり。男は、女しあはねば、かくし歩きつつ、人の国に歩きて、かくうたう。
いたづらにゆきては来ぬるものゆゑに見まくほしさにいざなはれつつ(ここでうたわれている、男がしばしば蔵にやって来た理由を説明せよ)
水の尾の御時なるべし。大御息所も染殿の后なり。五条の后とも。

駒澤大学文学部国文学科(2020)過去問『十訓抄』

第九 懇望を停むべき事
六条修理大夫顕季卿、東の方に知行の所ありけり。館の三郎義光、妨げ争ひけり。大夫の理ありければ、院に申し給ふ。「左右なく(現代語に訳せ)、かれが妨げをとどめらるべし」と思はれけるに、とみにこときれざりければ、心もとなく思はれけり。
院に参り給へりけるに、閑かなりける時、近く召し寄せて、「なんぢが訴へ申す東国の庄のこと、今までこときらねば、『口惜し』とや思ふ」と仰せられければ、かしこまり給へりけるに、たびたび問はせ給へば、わが理あるよしを、ほのめかし申されけるを聞こしめして、「申すところは言はれたれども、わが思ふは、かれを去りて、かれに取らせよかし」と仰せられければ、「思はずに、あやし」と思ひて、とばかり、ものも申さで候ひければ、「顕季が身には、かしこなしとても、こと欠くまじ。国もあり、官もあり。いはば、この所いくばくならず。義光は、かれに命をかけたるよし申す。かれがいとほしきにあらず。顕季がいとほしきなり。義光はえびすのやうなる者、心もなき者なり。やすからず思はんままに、夜、夜中にもあれ、大路通るにてもあれ、いかなるわざわひをせむと思ひ立ちなば、おのれがため、ゆゆしき大事にはあらずや(意味を説明せよ)。身のともかくもならんもさる事にて、心憂きためしに言はるべきなり。理にまかせて言はんにも、思ふ・憎むのけぢめを分けて定めんにも、かたがた沙汰に及ばんほどのことなれども、これを思ふに、今までことをきらぬなり」と仰せごとありければ、顕季、かしこまり、悦びて、涙を落して出でにけり。
家に行き着くやおそき、義光を「聞こゆべきことあり」とて呼び寄せければ、「人まどはさんとし給ふ殿の、何ごとに呼び給ふ」と言ひながら、参りたりければ、出で会ひて、「かの庄のこと申さんとて、案内言はせ侍りつるなり。このこと、理のいたる所は申し侍りしかども、よくよく思ひ給ふれば、わがためは、これなくとてもこと欠くべきことなし。そこには、これをたのむとあれば、まこと不便なりと申さんとて、聞こえつるなり(現代語に訳せ)」とて、去文を書きて取らせられければ、義光かしこまりて、侍に立ち寄りて、畳紙に二字書きて奉りて、出にけり。
そののち、つきづきしく(現代語に訳せ)、昼など参り仕ふることはなかりけれども、よろづの歩きには、何と聞こえけん、思ひよらず、人も知らぬ時も、鎧着たる者の五六人、なきたびはなかりけり。「誰そ」と問はすれば、「館刑部殿の随兵に侍り」と言ひて、いづくにも身を離れざりけり。
これを聞くにつけても、「悪しく思はましかば」と、胸つぶれて、院の御恩、かたじけなく思ひ知らるるにつけても、「かしこくぞ、去り与へける」と申されけり(形容詞を全て終止形に直せ)
かかるためしを聞くにも、頼めてむ人は、一旦つらきことなとありとも、恨みを先立てずして、そのはからひをめぐらすべしとなり。

同志社大学文学部国文学科(2020)過去問『今昔物語集』

巻24第32話 敦忠中納言南殿桜読和歌語 第卅二
今は昔、小野宮の大き大臣、左大臣にておはしましけるとき、三月の中旬のころほひ、公事によりて内に参りたまひて、陣の座におはしましけるに、上達部二三人ばかり参りあひて候はれけるに、南殿の御前の桜の木の大きに神さびて、えもいはぬ(現代語に訳せ)が、枝も庭までさしおほひておもしろく咲きて、庭にひまなく散り積みて、風に吹きたてられつつ、水の波などのやうに見えけるを、大臣「えもいはずおもしろきものかな。例はいみじく咲けど、いとかかる年はなきものを。土御門の中納言の参られよかし。これを見せばや(現代語に訳せ)」とのたまふほどに、はるかに上達部の咲を追ふ声あり。官人を召して、「この咲は誰が参らるるぞ」と問ひたまひければ、「土御門の権中納言の参らせたまふなり(品詞分解せよ)」と申しければ、大臣、「いみじく興あることかな」と喜びたまふほどに、中納言参て、座に居るや遅きと(現代語に訳せ)、大臣、「この花の庭に散たるさまは、いかがみたまふ」とありければ、中納言、「げにおもしろふ候ふ」と申したまふに、大臣、「さては遅くこそはべれ」とありければ、中納言心に思ひたまひけるやう、「この大臣は、ただいまの和歌にきはめたる人におはします。されば、はかばかしくもなからむことを、おもなくうちいでたらむは、あらむよりは、いみじくつたなかるべし(意味を説明せよ)。さりとて、やむごとなき(現代語に訳せ)人のかく責めたまふを、すさまじく(現代語に訳せ)てやまむも便なかるべし(現代語に訳せ)」と思て、袖をかきつくろひて、かくなむ申しあげける。
殿守のとものみやつこ心あらばこの春ばかり朝浄めすな(なぜこう詠んだのか)
と。大臣これをききたまひて、いみじくほめたまふ。

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