日本大学経済学部合格者解答例:ダイバーシティ・マネジメントとは何か

出題文

ダイバーシティ・マネジメントとは何かを説明した上で、性別、⼈種、障碍、年齢といった⽬に⾒えて識別できる多様化に焦点を絞り、⽇本企業がこれまで取り組んできたこと、および今後取り組まなければならないことについて論じなさい。

過去問研究・はじめる日本大学経済学部の対策

日本大学経済学部編入生の解答例

ダイバーシティ・マネジメントとは、国籍・年齢・性別・宗教といった多様性を社会が受け⼊れ、多様な⼈材が活躍できるよう、雇⽤を⾏なったり労働環境を提供する取り組みである。近年ダイバーシティ・マネジメントが重要視される理由として、労働⼒⼈⼝の不⾜が考えられる。⽇本は現在、少⼦⾼齢化に伴う労働⼒の減少が問題視されており、1990年台をピークに⽣産年齢⼈⼝の割合が減少傾向にある(総務省調べ)。労働力が不⾜することによって、1⼈あたりの負担が⼤きくなり、ワークライフバランスの崩壊や、経済成⻑率の低下が⾒込まれる。そのため、労働力の確保を⾏いつつ、労働⼒の不⾜に対応できるような多様な価値観を持った労働者を雇⽤する必要がある。
⽇本企業が⾏なってきた取り組みとして、性別と年齢の⾯から1つの企業の事例を挙げる。お菓⼦業界で有名な「カルビー」では成果主義を導⼊し、成果をあげれば評価される仕組みを取り⼊れた。その結果、若⼿社員でも成果を出せば評価されるため、モチベーション向上や、無駄な残業時間が減った。さらに、成果主義によって在宅勤務やフレックスタイム制度が活⽤しやすくなり、⼥性従業員や女性の管理職が増えた。性別と年齢に焦点を当て、制度改⾰を⾏なった結果、労働者のワークライフバランスが確保されたり、多様な⼈材の意⾒を取り⼊れることができるようになった。このような取り組みは他の企業でも多く採⽤されており、ワークライフバランスの改善や、⼥性の雇⽤促進に繋がっている。
今後⽇本企業が⾏うべき取り組みとして、⼥性職員の管理職の割合を増やすことが挙げられる。近年、⼥性労働者の管理職の割合は増加傾向であるものの、依然として少ない。管理職の割合を増やすことによって、⼥性の社会進出の機会を増やし、組織としての改⾰を⾏うことが重要である。

上記は日本大学経済学部の編入生(3年生)つまり合格者にもう一回過去問を解いてもらったものです。論旨は「成果主義を導入して女性の管理職を増やせ。」というものです。

要は「裁量労働制の成果主義で、(企業は)成果をあげれば評価される仕組みを取り入れていきましょう。」って書かれています。家事労働を任されるなど理由で時間外労働の難しい女性を、成果で評価することで今後より有利にして行こう、と論じているのかな?
これも筆者が本気でそう思っているのであれば、私のほうで主張を根本的に却下しないです(むしろざっくり言えばあっているとさえ思う。「労働⼒の不⾜に対応できるような多様な価値観を持った労働者を雇⽤する必要がある。」とか難解な記述があるなりに)。・・・と前置きしたうえで「誤った成果主義の定義、労働時間(拘束時間)の長さを「成果」と考える考え方が女性活躍を阻んでいる」というプロポジションを書いてあげるとロジカルな文章に仕上がると思います。

さらに…

  • コロナ禍の世相で促進されたテレワークが恒久化する
  • 成果主義は自己管理を促進する

などという事実もつけ加えてあげようよと思います。最終段落の組織としての改⾰を⾏うことが重要である、とは必ずしも必要とは言えませんね。余計なことは書かないで大丈夫です。

講師の解答例

ダイバーシティ・マネジメントとは、国籍・年齢・性別・宗教といった多様性を社会が受け⼊れ、多様な⼈材が活躍できるよう、雇⽤を⾏なったり労働環境を提供する取り組みである。国内労働⼒⼈⼝の不⾜を理由に、幅広く働ける人間を確保していくうえで必要に迫られた背景がある。我が国は現在、少⼦⾼齢化に伴う労働⼒の減少が問題視されており、労働力人口の確保が難しくなるほど、労働者一人ひとりの負担が重くなり、家族時間が確保できなくなることもあるだろう(c.f.ワークライフバランス)。30年程前から女性の大卒化と雇用機会均等を促進してきた我が国で女性の労働力、特に正規雇用労働者として確保していくことは、しばしば政策の念頭におかれる。
製菓で有名な「カルビー」は「成果主義」を導⼊し、成果をあげれば評価される仕組みを取り⼊れた。その結果、若⼿社員でも成果を出せば評価されるため、モチベーション向上や、無駄な残業時間が減った。さらに在宅勤務やフレックスタイム制度が活⽤しやすくなり、⼥性従業員や女性の管理職が増えた。家事労働を任されるなど理由で時間外労働の難しい女性を、成果で評価することで今後より有利になっていくと思われる。単純な労働時間(拘束時間)の長さで評価する仕組みに置き換えていくべきだと思われる。コロナ禍の世相で促進されたテレワークが恒久化する流れも、成果主義やワークライフバランスに肯定的な企業文化の変容を垣間見ることができる。
今後我が国企業が⾏うべき取り組みとして、⼥性職員の管理職の割合を増やすことが挙げられる。近年、⼥性労働者の管理職の割合は増加傾向であるものの、依然として少ない。成果主義の普及は、従業員一人ひとりが自分自身を自己管理する試みでもあるから、管理職の労働量にも変化があるだろうし、質的にも変化するだろう、従業員一人ひとりを人間的な所で理解していくことが管理職の仕事になるのではないだろうか。そうであれば昨今増えつつある女性正規雇用労働者を管理していくうえで女性管理職はボトムアップな要請でもあるだろう。

キーワード

  • 雇用:雇うこと。雇われること。
  • 女性の大卒化:80年代は30%代だった女性大学進学率は2010年代には60%を伺う(既に男性より高い)
  • 労働環境:仕事を教えてくれる。ハラスメントがない。管理職や営業職が仕事を確保してきた後の業務は手分けしてサッサと終わらせるというよりは、気持ちよく日々平和に過ごせることのほうが大事です。
  • 家族時間:家族で外出する機会が少ないと極論、子どもが大人になって親になった後で親としての振る舞いに見当もつかない。
  • 男女雇用機会均等法:自分で調べましょう。
  • 正規雇用労働者:正社員。
  • 家事労働:夕飯の支度と同じ時間帯になりがちな洗濯物の片付け、台所と違う階の仕事は手伝ってあげましょう。
  • フレックスタイム制:00年代には既にあった概念なので、昨今の働き方改革で急に言われ出したわけではありません。
  • ボトムアップな要請:工場で言うと、末端の工員の要望が集積して、権限ある人を動かしていくこと。

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