過去問・広島大学経済学部(3年次編入試験・2019年度)

市場の外部性とは何か、正の外部性と負の外部性を例を挙げて説明しなさい、必要に応じて説明に図を用いても良い。

解答例
市場の外部性とは、ある経済主体(人や企業、政府)の活動が、市場を通さずに他の経済主体に影響することをいう。その影響が良いものならば正の外部性、逆に悪いものならば負の外部性と呼ばれる。まず説明のため、市場を通して他の経済主体に影響する例を述べる。新しく駅ができ、その周辺で地価が高騰したとする。やはり様々な経済主体に影響を与えるだろう。ここで地価の高騰は不動産市場で起こった事象だから、もしも影響があったならば市場を通して他の経済主体に影響を与えたということになる。では市場を通さずに影響を与えるとは、どういうことかと言うと、果樹園と養蜂場の隣接がわかりやすい。養蜂場が近くにあることで果樹園では受粉がはかどり、また果樹園が近くにあることで養蜂場も蜜の供給に困らない。両者の隣接により彼らは相互に恩恵を受ける。これが正の外部性である。一方で負の外部性の典型は各種の公害である。たとえば有機水銀の垂れ流しが水俣病の原因となり、この行為の結果、水俣地区の漁場が荒廃してしまい、また多くの人が健康被害を訴えた。

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