過去問・武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科(3年次編入試験・2021年度)

消費者がモノを選ぶ時、いろいろな観点から評価し、選択する。その一つに「市場占有率」があり、時に消費者はデザインや機能よりも、この市場占有率を一番に考慮して選択することがある。なぜ人は市場占有率に左右されるのか考えたうえで、これに捉われない選択を促すためのアイデアや方策について、デザインを学ぶ立場から論じなさい。

解答の着想
イノベーター理論とは、新しい製品やサービスについて、時間と共に変化する市場への普及率に注目し、購入者とはどのような特性を持っているか分析する理論である。ユーザは購入が早い順に次の五つに分けられる。

①イノベーター
新しいということに価値を感じる

②アーリーアダプター
世間や業界のトレンドに敏感で、オピニオンリーダーやインフルエンサーになろうとする

③アーリーマジョリティ
他者の意見(クチコミ)の影響を強く受ける

④レイトマジョリティ
多くの者が実際に商品やサービスを購入しているかどうかを気にする

⑤ラガード
もはや世間の定番にならないと購入しない

出題文で取り沙汰されているのはレイトマジョリティにあたるユーザだ。つまり典型的なレイトマジョリティに属す人々へ、いかに進歩性や斬新さだけでなく安心感を与えることが大切かを論旨にすると、良い結果になると思われる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA