なぜ志望理由書なのか?
編入後に有意義な学生生活を送れる学生を大学側は合格させたいと考えます。学力以外では「編入の目的」「編入後の計画」の2つが関心事になります。これらを知るために多くの大学が受験生に志望理由書の提出を求めています。
まずは例文です
<例文>
昨年夏に帰省した地元の自治体の町おこしをきっかけに地域活性化に関心を持った。大学入学まで暮らしていた地元の過疎化や財政について以前から問題意識ではあり、問題に取り組む自治体を実際にみて自分も主体的に取り組んでいきたいと考えるようになった。地域活性化について、文学部所属の私は得意なことからはじめようと思い、まず歴史書を読みながら宿場町について学んだ。宿場町をテーマに選んだ理由は観光事業や流通業と地域活性化が結びつくと直感的に考えたからである。そうした勉学の過程でやはり経済学の素養が求められると気づき、秋に開講された一般教養科目の経済学関連の講義を受講した。そしてその後、地域経済論や流通論といった専門性の高い講義を履修したいと考えた。しかし在籍する□□大学には経済学部がないため編入学を志した。
特に貴学経済学部を志望する理由として、地域経済学関連の講義が多い点がまず挙げられる。また卒業後の進路として地方公務員になる卒業生が多い点も魅力的だった。また観光事業と地域活性化の相乗効果について研究している〇〇先生のゼミがあることも魅力的だった。
編入後は「地域経済論」「中小企業経営論」「流通論」といった専門科目を受講したい。また卒業研究では〇〇先生のゼミで論文を書き上げたい。
将来は地元で公務員となり、地元経済の活性化に貢献したい。
志望理由書はストーリー仕立てにしましょう。学歴ロンダリングは志望理由として典型的なNGです。面白いストーリーで試験官をうならせましょう!
基本的なストーリーの構成
- 1.編入学のきっかけ
- 2.なぜ〇〇大学△△学部なのか
- 3.入学後の学習計画
- 4.卒業後の計画
上記のような構成が基本です。
学歴ロンダリング論争
「貴学のほうが良い大学だから入りたいんですよ」と率直に訴えてよいのか(志望理由書に書いてよいのか)という議論です。大学編入!文系の対策の見解は「NG!」です。たとえ本音がそうであったとしても、例文のようなストーリーを発起して書いてください。
研究計画論争
「志望理由書=研究計画書」なのか「志望理由書≠研究計画書」なのかという議論です。大学編入!文系の対策の見解は後者の「志望理由書≠研究計画書」です。例文のようにストーリー仕立てで書いてください。研究計画(入学後や卒論で取り組みたいこと)は学習計画の中に少し書くのが適切だと思います。
- 某法学系大手予備校講師「志望理由書は研究計画書ではない。ただし阪大法は別だ。そのあたり個別で相談して欲しい。」
- 某経済系大手予備校講師「研究計画書のように書いてはいけない。よくある誤解だ。」
- 某専門学校教員「(2019年頃に)『志望理由書の中で研究計画にあたる部分だけが重大だ』という噂が流れたが困っている(それは間違っている)。」
志望理由書は何ら重大ではない論争
「志望理由書なんかで悩んでいないでいつも通り勉強しなよ!」という議論です。面接試験がある受験校では必ず志望理由書の内容から質問が来ます。そのため面接試験のウエイトが志望理由書のウエイトと読み替えることができます。面接試験のウエイトとは面接が点数化される場合や、筆記試験通過者を面接試験で絞り込む場合はウエイトが高いとわかります。単に「面接がある」としかわからない場合は私に聞かれてもわかりません。面接試験のない受験校で志望理由書がどれくらいみられるかは書類選考のある・なし以外に手がかりがありません、書類選考があれば志望理由書はかなり精読されます。基本的に募集要項に書いてある通りです。受験校によっては明確に志望理由書を何点満点で評価すると募集要項に書く場合もありますが、書いてなければやはりわかりません。
※TwitterやLINEグループなどで「募集要項に書いてないけど本当のところどうなのか知りたい」という人がそういう質問をしたり、答えたりする人もいますが、大学側もカチっと決めてないから募集要項に明文化しないわけですからね。