証券
資金調達者とは、資金が不足しているものであり、有価証券(政府の国債、株式会社の株式、企業の社債など)を発行する。金融市場は証券市場とも呼ばれる。そのさい、発行市場とは証券の発行によって資金が移転する過程に対応し、流通市場とは既存の証券が投資家のあいだで売買される過程に対応する。
ダニエル・パウ太
ダニエル・パウ太
デリバティブ
価格をシグナルとすることで、証券の値上がりや値下がりのリスクが、市場のなかで発生することもあります。そのリスクを移転するための新しい契約をデリバティブと呼ぶ。
流動性供給主体
証券会社など。実際の資金調達者と資金提供者の間にはいって、おもに仲介という形で、金融市場の円滑な取引を可能にしている経済主体。たとえば信用度の低い企業は自分で取引相手を見つけようとすると、もしかすると資金調達者は構わないかもしれないが、少なくとも資金提供者は多大なコストやリスク、あるいはその両方を負うことになると思われる。証券会社は、引き受けてくれるのである。
インフラストラクチャー
規制機関
規制機関とは、金融市場の公正性を維持し、利用者の信認を担保する機構のこと。行政によるものと、民間主体による自主規制機関とかがある。
情報提供機関
格付け機関や監査法人、上述した証券会社も情報提供機関としての側面を持っている。
ダニエル・パウ太
流動性
価格をシグナルとするうえで、実際に公示された価格で取引しやすいとき、それは「流動性が高い」ということになる。流動性が低いと、たとえばいつまでたっても取引相手が見つからないからと妥協し、自分に不都合な価格を受け入れてしまうこともある。流動性が低い金融市場では、約定価格が価値を正しく反映させたものであるかどうか疑わしくなってくるのである。
証券取引所
売注文と買注文を一カ所に集中させることは、最も伝統的な解決方策である。
さらに証券取引所に仲介人をおく
NYSEのスペシャリスト制度など。証券取引所のなかで売注文と買注文がアンバランスになったときに、スペシャリストは、自分自身で適切だと考える価格を提示しつつも、うまく反対売買をして流動性を維持しようとする。
信用取引制度
売買したい投資家に証券会社が資金や株券を貸し付ける制度。金融市場で証券を買いたいがための資金提供を認めるということ。
情報効率性
理想として、金融市場とは新情報には瞬時に反応して「適切な価格」がシグナルされることを望むものだ。
効率市場仮説
- 弱度の効率性:公開情報があてにならない。過去の証券の価格の動きで分析(c.f.テクニカル分析)するしか手立てがなく、しかし、たとえばランダムウォークする株価であれば将来価格の予測はまったくできないということになるから、あまり歯が立たない状態。
- 準強度の効率性:公開情報が次の意味であてになる。公開情報に従うかぎり妥当であろう値付けが、実際になされていたり、あるいは近々なされるのだろうから、財務諸表分析などしても長いあいだ利鞘を稼いではいられない状態。
- 強度の効率性:公開情報のみならずインサイダー情報など非公開情報までも価格に織り込まれているような状態。
アノマリー
金融市場でまことしやかにささやかれる迷信。大勢が信じることで上述した情報効率性の理想は、歪んでしまう。