はじめに
6月9日と10日の2日間、社会福祉学科武田ゼミの4年生が大阪市西成区(通称釜ヶ崎)を訪れ、貧困・生活困窮問題に関する視察を行いました。
視察内容
1日目
- 釜ヶ崎芸術大学訪問:学生たちは、芸術が生み出す多様性の理解や共存について説明を受けました。
- 認定NPO法人こどもの里訪問:映画「さとにきたらええやん」の撮影現場となったこの施設を訪れ、代表の荘保共子さんから釜ヶ崎の歴史や取り組み、子どもたちの置かれた状況について学びました。問題は経済的貧困にとどまらず、基本的人権、ヤングケアラー、無戸籍、外国人問題など多岐にわたることを理解しました。
- 夜回り活動:山王こどもセンターと野宿者ネットワークの夜回りに参加し、ホームレスの安否確認を行い、70人以上のホームレスに声かけをしました。
2日目
- フィールドワーク:野宿者ネットワーク代表で作家の生田武志さんの案内で、釜ヶ崎での労働者や子どもたちの貧困問題の歴史的背景と支援内容について学びました。
- 振り返り:生田武志さんと共に、2日間の活動を振り返り、学びを深めました。
学生の感想
永野怜さん (高知工業高等学校出身)
「貧困状況は本人のせいではなく社会が作り上げたものである」という言葉に考えさせられ、将来は制度の壁をなくすための仕事に携わりたいと強く感じました。
三尾優大さん (就実高等学校出身)
西成区が福祉のまちであることを実感し、路上生活者の尊厳を守ることの重要性を学びました。
野本明日香さん (土佐女子高等学校出身)
差別・偏見の根強さを実感し、正しい理解と意識の変革が必要だと感じました。
清水太智さん (日彰館高等学校出身)
声かけで野宿者の笑顔を見ることができ、社会的孤立を防ぐ重要な活動だと理解しました。
鈴鹿健斗さん (津山商業高等学校出身)
現地での現場の雰囲気や現状を知る貴重な経験となり、夜回り活動が刺激的で有意義でした。
遠藤大斗さん (大東高等学校出身)
NPO法人や社会福祉法人の支援の重要性を実感し、夜回りが精神的リフレッシュの場であることを理解しました。
まとめ
今回の視察を通じて、学生たちは貧困や生活困窮の問題を多角的に学び、今後の支援活動に向けた貴重な経験を得ました。武田ゼミでは、今後もこれらの学びを基に、貧困・生活困窮状態の人々に寄り添う支援について考察を続けていきます。