コミックエッセイ『さよなら毒家族 アルコール依存症の祖母の呪縛から解放されて私を取り戻すまで』

はじめに

このインタビューと記事は、アルコール依存症の祖母の世話を強いられたヤングケアラー、ゆめのさんの壮絶な体験を描いたコミックエッセイ『さよなら毒家族 アルコール依存症の祖母の呪縛から解放されて私を取り戻すまで』に焦点を当てています。ゆめのさんの物語は、彼女の家庭環境から脱出し、自分の人生を取り戻すまでの過程を描いています。

作品の背景とあらすじ

ゆめのさんの父親は浮気性でギャンブル好き、母親はしばしば実家に避難することがありました。ゆめのさんが4歳のとき、母親は彼女を祖母に預けた後、自殺しました。その後、ゆめのさんは祖父母と暮らすことになりましたが、祖母は重度のアルコール依存症でした。彼女は小学生の頃から祖母の世話をするようになり、家事も自分で行う日々を送りました。
祖母のモラハラに苦しみ、ゆめのさんは小学4年生で過呼吸を経験、中学生では摂食障害や自傷行為に悩まされました。祖母が一度アルコールをやめたものの、今度は糖尿病を患い、ゆめのさんは看病と家事に追われました。祖母の言動は年を重ねるごとに厳しくなり、ゆめのさんの生活はますます過酷なものとなりました。

ゆめのさんの思いとヤングケアラー問題

ゆめのさんは、当時の祖母の依存症の描写を通じて、アルコール依存症の恐ろしさと家族の苦しみを読者に伝えようと努めました。彼女は自分が「ヤングケアラー」であったことを振り返り、普通の子どもが経験しないことを経験してきた自覚がありました。祖母の世話を続けることで、自分の人生を犠牲にしてでも祖母を支えようという強迫観念に囚われていたと述べています。
ヤングケアラー問題について、ゆめのさんはこの問題が家庭という閉じた環境で起きるため、当事者の子どもが自分の状況が異常であることに気付きにくいと指摘します。子ども時代に支援を受けられないことや、後にPTSDのように心を病んでしまうことも問題視しています。

読者へのメッセージ

ゆめのさんは、自分と同じように親からの価値観に苦しむ人々に向けて、自身の作品を通じてメッセージを送りたいと述べています。親との関係に悩む人や、自分の気持ちに違和感を感じる人々に、このコミックエッセイを読んでほしいと願っています。
『さよなら毒家族』は、ゆめのさんの壮絶な体験を通じて、ヤングケアラーとしての苦しみや家族問題の深刻さを浮き彫りにし、同じような悩みを抱える人々に勇気と共感を与える作品となっています。

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