はじめに
千葉県教育委員会が実施した「不登校児童生徒等実態調査」では、不登校の原因や支援の状況が明らかになりました。本調査は、支援を必要とする子どもたちやその保護者のニーズを把握し、フリースクール等の活動状況と課題を把握するために行われました。
調査の概要
調査は令和5年度に実施され、対象は千葉県内の不登校児童生徒およびその保護者、並びに県内フリースクール等です。調査期間は令和5年12月13日から令和6年1月22日までで、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社に委託されました。
調査結果の概要
不登校児童生徒への調査結果
令和4年度に学校を休んだ日数は「180日以上」が最も多く35.7%を占めています。学校に「行きたくない」と思ったきっかけとしては、「先生との問題」が27.9%で最も多く、次いで「勉強が分からない」が24.9%、「友達とのトラブル」が22.2%となっています。行きたい場所としては「何時に行ってもいい場所」が60.6%でトップでした。
保護者への調査結果
学校や関係機関に対する働きかけでは、「子供の意思を尊重した」が95.8%で最も多くなっています。子供の困り事としては、「勉強・学力」が68.8%、「進路・将来」が59.7%と多く挙げられました。支援機関を利用した結果、「変化が見られた」が58.0%に対し、「変化が見られなかった」は31.7%でした。
フリースクール等への調査結果
フリースクールから見た課題として、「家庭への支援の難しさ」が38.5%、「金銭的負担」が34.6%と指摘されています。活動内容は「相談、カウンセリング」が86.5%で最多、次いで「個別の学習」「芸術活動」が73.1%でした。運営費の賄い状況については「全額賄える」「70~90%賄える」が26.9%に対し、「ほとんど賄えない」「収入なし」が46.2%となっています。
調査結果の考察
調査結果からは、不登校の要因が多岐にわたり、個々の状況に応じた支援が必要であることが分かります。特に、子どもたちが学校に行きたくない理由には、先生や友達との関係が大きく影響していることが浮き彫りになっています。また、保護者の視点からは、学力や進路に対する不安が大きく、支援機関の利用により一定の変化が見られるものの、依然として多くの課題が残されています。
フリースクール等の民間団体の活動も重要な役割を果たしていますが、家庭への支援の難しさや金銭的負担などの課題が存在します。これらの団体が持続可能な支援を行うためには、運営費の確保が重要です。
今後の施策と期待
不登校児童生徒の支援には、学校、家庭、地域社会が一体となって取り組む必要があります。特に、学校内外での柔軟な学習環境の提供や、保護者のサポート体制の充実が求められます。また、フリースクール等の活動を支えるための制度的な支援や資金援助が不可欠です。
千葉県教育委員会の調査結果を基に、具体的な施策が推進され、不登校児童生徒が自分らしく成長できる社会の実現に向けた取り組みが進むことが期待されます。
まとめ
不登校児童生徒への支援は、多岐にわたる要因に対して柔軟かつ包括的に対応することが求められます。調査結果を踏まえ、今後の施策がより効果的に実施されることを期待し、子どもたちが安心して学べる環境づくりに向けて、県内外での取り組みを一層強化していくことが必要です。
詳細な調査結果や具体的な施策については、千葉県教育委員会の公式ページをご覧ください。