自閉症の生徒の高校卒業後の進路選択と親の支援

高校卒業後の進路選択

ASD(自閉スペクトラム症)を持つ生徒が特別支援学校高等部を卒業した後の進路選択は、親にとって大きな課題です。小学校入学から18歳までの進路は比較的スムーズに進んだものの、高校卒業後は一筋縄ではいかないことを痛感しました。

進路選択のための情報収集

生徒の進路を考えるにあたり、就労移行支援事業所やB型事業所などの情報を集めることが重要です。これらの事業所は人気が高く、希望者が殺到するため、事前の情報収集と適切な選択が求められます。親としては、どの事業所が生徒に適しているかを検討するために、多くの情報を集め、慎重に判断する必要があります。

「本人の意思を尊重」の難しさ

「本人の意思を尊重して」と言われても、知的発達症を伴うASDの生徒は自分の意思を明確に示すことが難しいです。例えば、遊園地に誘っても「学校に行く」と答える生徒は、決まったスケジュールを厳守することが優先されます。このような状況では、親が代わりに適切な選択をする必要があります。

長期的な支援の重要性

生徒は就労移行支援事業所に通うことになりましたが、これは卒業後の長い人生の一部に過ぎません。就労できたとしても、定着できるかどうかは別問題です。親としては、生徒の将来を見据え、長期的な支援が必要であることを強く感じました。障害児の親の子育ては、定型発達の子供の親とは異なり、成人後も続く長いマラソンのようなものです。

筑波こどものこころクリニック院長:鈴木直光先生のアドバイス

神経発達症の子供の就労支援は、各都道府県にある発達障害者支援センターで行われていますが、まだ世間に十分に浸透していません。就労支援が必要な場合は相談し、生活支援が必要な場合も対応することができます。15歳までは小児科で診てもらえますが、それ以降は精神科の診療が適しています。小児科から精神科へのスムーズな移行が重要であり、この連携システムの整備が求められています。

まとめ

自閉症の生徒の進路選択と親の支援は、情報収集と適切な選択、長期的な支援が求められます。生徒の意思を尊重しつつ、親が適切な判断を下し、将来の生活に向けた準備を進めることが大切です。障害児の親の支援は、成人後も続く長いプロセスであり、親としての役割は終わることがないのです。

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