不登校の子どもに「昨日は学校に行くって言っていたじゃない」と言ってはいけない理由とは

「昨日は学校に行くって言っていたじゃない」という言葉は、子どもにプレッシャーを与えてしまい、かえって登校のハードルを高くしてしまいます。期待をかけると、子どもはその期待に応えられないことを恐れ、さらに自信を失うことがあります。

「せっかく準備したんだから、頑張ってみたら？」という言葉も逆効果です。このような言葉は親の期待や焦りを子どもに感じさせてしまい、「やっぱりダメなんだ」と落ち込ませることがあります。子どもの感情や状況を理解し、「ああそう。わかった」とただ受け止めてあげることが重要です。

不登校の背景には、恒常性（ホメオスタシス）という心理的な働きが関与しています。恒常性とは、体や心の状態を一定に保とうとする機能で、急激な変化を避けて安定を求めるものです。このため、不登校の子どもが前日に「学校に行く」と言っても、当日になると行けなくなることは自然なことです。

ダイエットや片付けの例のように、人は変化をすることに対して抵抗を感じます。習慣や環境を変えることは大きなストレスとなり、現状を維持しようとする心理が働きます。不登校の子どもにとって、学校に行くという変化も同様に大きな挑戦です。

学校に行くことを考えただけでも、子どもにとっては大きな進歩です。その前向きな気持ちを褒めることで、子どもの自信を育むことができます。ただし、実際に登校することを過度に期待しないことが大切です。

今日や明日ではなくても、子どもは必ず問題を乗り越える力を持っています。親は子どもを信じて、動じない姿勢で見守ることが重要です。親の安定した態度が、子どもに安心感を与えます。

以上のポイントを心に留めて、不登校の子どもに対して適切なサポートを提供していきましょう。