第2回 自由民主主義とイデオロギー

1.イデオロギー

  
政治・経済・社会などを総体的に捉える観念や信条の体系。各時代の歴史的・社会的条件によって制約され、人間の思想や行動、生活のあり方を左右する根本的な思想・意識の体系。秩序構成原理。

ベーコン(Francis Bacon)のイドラ

近代思想において今日のイデオロギーに近い概念を最初に提示したのは、ベーコン(Francis Bacon)である。彼の著名なイドラ論がそれである。イドラとは、人間の知性を縛る誤った非合理的な概念である。【引用『現代政治学』加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦ら著 p165 イデオロギーとは何か】

トラシー(Destutt de Tracy)のイデオロギーとナポレオン(Napoleon Bonaparte)の空論屋

イデオロギーという言葉を最初に使ったのはフランスの哲学者トラシー(Destutt de Tracy)である、といわれている。彼は、あらゆる学問の基礎となる観念の学のことをイデオロギーと呼んだ。ここには何らマイナスの意味合いはなかったが、トラシーがナポレオン(Napoleon Bonaparte)批判を展開した結果、ナポレオンがイデオロギーという言葉をもじった「空論屋」という名でトラシーを逆に批判し、今日の用語に近い意味ができあがったのである。【引用『現代政治学』加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦ら著 p165 イデオロギーとは何か】

マルクス(Karl Marx)とマンハイム(Karl Mannheim)のイデオロギー論

マルクスが提唱した著名な土台-上部構造論に従って考えてみよう。マルクスは、社会の土台は経済構造にあるとし、それ以外の人間の生の諸領域を上部構造とした。そして上部構造は土台を反映すると考えたのである。この場合、イデオロギーは上部構造に属する社会的意識形態とされる。もし、イデオロギーが土台を整合的に反映していないならば、それは空論であり、虚偽意識なのである。そしてその政治的機能は、土台を正しく反映していない現実を隠蔽する意識ということになる。(中略)ドイツの社会哲学者マンハイムは、マルクスのイデオロギー概念を拡張し、階級によって拘束された意識だけでなく、あらゆる社会集団や社会的条件によって制約された思想を、イデオロギーと呼んでいる。【引用『現代政治学』加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦ら著 p165 イデオロギーとは何か】

2.代表的な政治的イデオロギー

1)自由主義 liberalism(17、18世紀に台頭、19世紀に一つの絶頂期)

国家権力の恣意的行使を規制し、個人の権利や自由を確保することにより、自由な政治活動、経済活動を実現しようとする思想的立場。ロック、ルソー、アダム・スミスらが代表的論者。17・18世紀の近代市民革命の指導原理。資本主義の興隆とともに発達したブルジョアジーの思想・イデオロギー。

思想的特徴
  • 立憲主義:憲法によって支配者の恣意的な権力を制限し、憲法に基づいて政治を行おうとする思想・制度 (法の支配)

    法の支配:法が権力行使の方向と限界を示し、全ての国家活動が憲法と法律を基準に営まれるという原則。

  • 権力分立:三権分立(立法権の優越)抑制と均衡(チェックアンドバランス)

    それでは。いかにして権力を制限すればよいのか。この課題に対してモンテスキューが示したのは、権力を他の権力によって制限するという発想であった。政治社会の秩序は、分裂をなくすことによって実現されるのではない。むしろ、部分部分の対立を、いかに全体として調和に結びつけるかが重要である。したがって、政治制度を構想するにあたっては、権力と権力が対抗しつつ、相互に抑制し合うしくみをつくることが重要である。【引用『政治学をつかむ』苅部直・宇野重規・中本義彦ら著 p16政治的多元主義】

  • 人権尊重:自然権に加え憲法体系によって保障される諸権利を、国家権力による侵害から保護。

とりわけ、個人や少数者の権利を権力者や多数者から守ることを重視。(個人の尊厳)

自由主義の歴史的発展
  • 17世紀の政治的自由主義(ロックら)国家の干渉からの自由、人権尊重、私有財産の擁護
  • 18世紀の経済的自由主義(スミスら)市場経済、自由放任主義、「神の見えざる手」
  • 19世紀の功利主義(的自由主義)(ベンサム、ミルら)
    • ベンサム(英)「最大多数の最大幸福」普通選挙を擁護する側面あり。自由民主主義へ
    • ミル(英)『自由論』:真理や道徳、価値に対する国家の中立。近代的個人の確立、精神的自由

    ベンサムは「最大多数の最大幸福」という原理を強調することにより、少数者による専制に対抗するための多数者による政治を提唱したが、多数者の専制という問題を十分認識し克服することはできなかった。ゆえにミルは『自由論』において、多数者の専制に対抗すべく、個人の自由を絶対的な原理として強調し、思想と議論の自由と個性の重要性を訴えた。

※自由主義の政治観としての共和主義
共和主義とは、市民の主体的な参加と政治における市民的な徳を重んじる政治概念であり、19世紀まで自由主義陣営が自らの議会政治観を述べる際に多用した用語である。数的多数による統治を重視する民主主義と異なり、労働者大衆の政治参加には警戒的で、教養と財産を持つ有徳な人士が責任ある政治を行うことが望ましいと考えられた。

共和制:国家に君主を置かない政体のこと。⇔君主制。共和制を採用する国家を共和国、共和制を国家のあるべき姿とする思想を共和主義。一般に共和制では、国家元首は君主ではなく国民により選出される。(例えば大統領)。
本来、共和制と民主制は異なる。近代西欧思想では、古代ギリシャの都市国家やローマの共和政期に、共和制の起源を見るが、それらの共和制のほとんどは貴族の寡頭政権だった。その後、中世イタリアの都市国家や独立直後のオランダなど、共和国が数多く生まれたが、その多くも貴族と議会の混合政体(あるいは貴族中心の合議政治)だった。従って、その名残を受けた近代的な意味での共和主義も、有徳な教養エリートを中心とする議会政治のことを指し、制限選挙論者である自由主義者の議会政治観であると言える。共和主義は、大衆の政治参加に基盤を置く民主主義とは区別されていたのであり、19世紀まで西欧では、民主主義を批判し共和主義を賛美する傾向が強かった。議会制民主主義の機能不全が言われる20世紀後半以降、再び共和主義的な政治を再評価する、“共和主義ブーム”が高まっている。

↓権力と自由の関係性について。論点として参考になる記述の抜粋。

これまで、国家権力は危険なものであり、私たちの自由を奪うものだということが強調されてきました。だからこそ、権力と自由とを対立させて考え、権力をできるだけ小さくしようという考え方(自由主義)が主流となっていたのです。確かに言論の自由や宗教の自由などの自由権は、国家がそれに介入しなければ守られます。放っておいてくれさえすればいいのです。それなのに国家がなかなか放っておいてくれないので、それが問題とされたわけです。歴史的に、人びとの信仰を国家が弾圧したり、政府批判の言説を封じたり批判者を迫害したりということがあったからこそ、自由権を明示して国家に守らせることが必要とされたのです。しかし、権力との関係をこういう筋だけで考えていくと、たとえば社会権といったものについて、うまく説明ができなくなります。社会権の典型が生存権ですが、これは個人がある生活水準を維持して生きていくことを権利として考えるものです。放っておかれるのではなく、国家権力に生活を保障されることを権利と考える。そこでは、権力は積極的役割を期待されているのです。そうした分野はいくつもあります。【引用『政治的思考』杉田敬 著p83国家権力の二面性】

確かに言論の自由、宗教の自由、身体の自由など、一般に自由権と呼ばれるものは、政府が何も「悪さ」をしなければ、実現することができるでしょう。こうした自由は政府の不作為を求めるわけです。放っておかれれば自由なのです。しかしその一方で、まずは暮らしていくことができなければ、他の自由も実現できない。すでに見たように、そこから最低限度の生活を保障することを求める生存権など、社会権と呼ばれる権利への要求が、とりわけ20世紀以降に出てきました。こうした権利は憲法で宣言されさえすれば、そのまま実現できるというものではない。人びとの生活を保障するために政府が何らかの制度をつくり、そこに財政を投入しないと、生存権は達成できません。つまりこの場合、自由権とは異なって、権力の積極的なはたらきを必要とする。自由対権力、自由対政治という構図ではなく、自由のための権力、自由のための政治という構図になるということです。【引用『政治的思考』杉田敬 著p107自由対権力】

政治権力の「制度化」というのは一面において政治権力が制度に従って行使されることを意味すると同時に、政治権力が制度を守って運用されることを意味する。実際、憲法上認められているさまざまな権利にしても、それを現実に保護してくれる権力の発動がなければ「絵に描いた餅」になる。【引用『政治の精神』佐々木毅 著p49政治権力の魔性】

2)保守主義

旧来の思想や制度、伝統を尊重し維持することを重んじ、その変革に反対し、革命や急激な改革を好まない政治的、社会的立場。エリート中心の政治を擁護。バーク『フランス革命の省察』(1790)

3)民主主義/democracy(19・20世紀に台頭、20世紀に大きく発展)

人民自身が保有する権力によって統治し、人民の意思に従って政治を行う政治体制。市民革命急進派のイデオロギー。ルソーの人民主権論が大きな影響を与えた。ただし近代デモクラシーは、間接民主主義の実践、つまり代議制民主主義(議会主義、議会政治)として発展した。

私たちの政治は、代表を通じて行うのが一般的となっています。代表民主制、あるいは議会制民主主義などと呼ばれる形をとっているわけですが、では、代表とはいったい何なのでしょうか。考えてみると、これがよくわからない。私たちを代表するということはどういうことなのでしょうか。それはそもそも可能なのことなのか。たとえば、私という個人を、誰か別の人間が完全に代表するなどということを考えられるのでしょうか。自分の親でも、配偶者でも、自分の考えをすべて理解してくれるなどということはありえないでしょう。それなのに、赤の他人に何がわかるというのでしょうか。代表について考えるときには、そういう前提から出発する必要があります。【引用『政治的思考』杉田敬 著p30代表は可能なのか】

思想的特徴
  • 人民の権力保有、人民の意思に基づく統治。 → ルソーの人民主権論やアメリカ建国思想が影響。
  • 数的多数による支配を正当化する点で、「多数者の専制」に陥る危険がある。衆愚政治との批判も。
  • 民主主義の政治的実践については米国が先駆的。→ でも当初は、共和主義という言葉が多用された。

続いて1799年に権力を掌握したナポレオンは、革命による動乱を国内的には所有権の安定などを通じて収束させる一方、国際的にはヨーロッパの派遣をめぐる戦争へと乗り出した。その際にナポレオンは、フランス革命の理念を征服によって「輸出」していく。たとえばナショナリズムや民主主義といった考え方、国民国家という統治枠組み、あるいは民法典などの市民社会のルールなどを、ナポレオンは征服地に(意図せざる場合も含めて)広めていくのである。【引用『国際政治史 主権国家体系のあゆみ』小川浩之、板橋巧巳、青野利彦ら著 p34 ナポレオンの帝国】

とくに、冷戦後に進められた民主主義や人権という価値の拡大は、人類に普遍的なものであるとされながらも、それを推進しているアメリカの政治文化や歴史的経験に大きく色づけされていることは事実である。【引用『政治学をつかむ』苅部直・宇野重規・中本義彦ら著 p240 グローバリゼーションの光】

4.1)社会主義: 18~19世紀の産業革命の時代、労働者階級のイデオロギー

  • 資本主義の生み出す経済的・社会的矛盾を、生産手段の社会的共有・管理によって解消し、平等な社会を実現しようとする思想・運動。共産主義、社会民主主義などを含む広い概念。
    ※社会主義は必ずしも私有財産を否定せず、代議政治を拒絶しない。

4.2)共産主義(マルクス主義)

  • 私有財産を否定し、生産手段や生産物などすべての財産を共有して平等社会を実現しようとする思想。プロレタリア革命(労働者革命)によって実現。マルクス、エンゲルス『共産党宣言』(1848) マルクス『資本論』(第1部1867)
  • ロシア革命の指導者レーニンは、労働者政党である共産党が革命を主導して労働者による権力を確立し、共産主義社会の実現を目指す。 → マルクス=レーニン主義。

4.3) 社会民主主義、人民民主義の台頭(20世紀)

  • 社会民主主義:社会主義と民主主義の融合。民主主義的手続きによる社会主義の実現を目標。
    国家権力による実質的・社会的平等の実現を目指す。自由民主主義と対立。
  • 人民民主主義:革命後の労働者階級(共産党)の独裁を正当化する民主主義。共産党は労働者の意思を真に代表する。

しかし西ヨーロッパでは、マルクス・レーニン主義以外の社会主義の伝統が19世紀以来根強く定着しており、さまざまな社会主義政党が古くから力を持っていた。(中略)これら西欧社会主義政党はおおむね、資本主義体制を基本的に受け入れつつ、その欠陥を国家の介入によって是正することに力点を置き、そのための諸政策と理念を強調するようになる(政府が積極的な財政支出を行うことで景気を回復するというケインズ主義的経済運営、広範囲の福祉政策など)。以後、資本主義を根本的に否定する共産主義と区別する意味も込めて、この主義主張が社会民主主義とよなれるようになった。【引用『ポリティカル・サイエンス事始め』伊藤光利 p77 社会主義、共産主義、社会民主主義】

3.自由民主主義の成立

   
自由民主主義:国民が選出した政治家の権力を法の支配によって制限し、権利の保護と個人及び少数者の自由を強調して、多数者の専制を防ごうとする議会制民主主義の形態。自由主義と民主主義は本来対立する原理だが、産業革命を経て社会主義が台頭する19世紀後半以降、両者は接近・融合していく。

先行する自由主義(17~19世紀)

  • 自由主義:
    近代市民革命の指導理念。国家権力の恣意的行使を規制、市民的自由の確保。
    憲法制定による権力規制・・・「法の支配」、立憲主義
    権力規制と自由確保が最優先。一般国民による権力掌握は二次的問題。

勢いを増す民主主義(19~20世紀)

  • 民主主義:
    市民革命急進派の指導理念。人民の権力保有、人民の意思に基づく統治。
    一般国民による権力掌握が主問題。権力行使の規制は二次的問題。

選挙権をめぐる対立

  • 自由主義:
    政治の担い手は、教養市民であり有産階級 ⇒ 制限選挙を主張
    ※議会政治に関しては、エリート中心の共和主義的立場といえる。
  • 民主主義:
    政治の担い手は、労働者を含む一般国民(政治的平等) ⇒ 普通選挙を主張
    ※あらゆる階層が議会政治に参加することを求める徹底した民主主義。
    ※民主主義の主張は、労働者運動や社会主義運動に影響を与える。

対立から融合へ(19世紀後半~20世紀前半)

  • 社会主義や共産主義(政治的平等のみならず社会的・経済的平等を要求)という共通の政敵。自由主義者は、民主主義者や労働者の主張を徐々に受け入れ、味方に取り込んでいく。
  • 労働者や弱者への社会的配慮を始める新しい自由主義の台頭。
  • 大衆社会の到来と総力戦としての戦争など

自由民主主義の誕生 (19世紀末から20世紀以降)

 
欧米諸国においても、19世紀までは、自由主義が主導権を握る自由主義国家だった。しかし産業革命が進展する中、労働者革命を求める共産主義が台頭し始めると、自由主義者が民主主義の要求を受け入れ、自由民主主義として結合
自由主義:個人の尊厳(人権保障)つまり目的
 +                   
民主主義:人民による自己統治(自己決定)つまり手段

歴史的起源は民主主義の方が古く、古代ギリシャ時代にさかのぼる。当時、民主主義は政治的決定への民衆の直接参加、つまり直接民主主義を意味していた。その意味での民主主義は、実のところ、あまり積極的な評価を受けていなかった。古代ギリシャの哲学者アリストテレスによる政治体制の分類においては、民主主義は堕落した政治体制だとされた。つまり、無知蒙昧な民衆による支配として否定的にとらえられたのである。こうした見方は長らく続き、プラスの評価が定着するのはようやく20世紀に入ってからである。自由主義の機嫌は中世にある。貴族、僧侶あるいは都市の商人たちが、自ら組織する団体の特許を国王権力の介入から守ろうとして起こした動きの中から生まれた。近代に入って、それが興隆する市民階級によって引き継がれ、権力の恣意的な行使を排するとともに、権力が介入できない個人の自由の領域を守り、広げようとする考えとして発展していった。【引用『現代政治学』加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦ら著 p41-42 自由主義と民主主義】

自由民主主義の擁護:

  • ジェイ、ハミルトン、マディソン『ザ・フェデラリスト』(1787) 
    アメリカ建国思想にみる自由民主主義観
  • アレクシ・ド・トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(1835)
    トクヴィルはフランス人政治家・政治学者 。本書において自由主義と民主主義が絶妙に結合したアメリカを賞賛。

    ただしトクヴィルは、(政治的)平等化を追求するデモクラシーの延長上に、「穏和な専制」、つまり非常に面倒見は良いが個人の自由を尊重しない政府が家父長的に国民を統治するような体制が生まれかねないと警鐘を鳴らした。

4.ポリアーキー(ロバート・ダール)

ポリアーキー:不完全ではあるが民主主義の諸条件を近似的に満たした政治体制

1)主張:完全な「理想(理念)としての民主主義」は現実には存在しない。

  • ならば ⇒  各政治体制がどの程度民主的であるかを検証することの方が大切。
  • そのために ⇒  民主主義の発展度合いを測定しうるモデルを考案。

2)検証モデル

  • 公的異議申し立て(政治的競争、自由化): 表現の自由、結社の自由、政党活動の自由
  • 政治参加の度合(包括性、政治参加): 選挙に参加し公職につく権利、普通選挙権⇒以上2次元で評価。表現の自由、結社の自由、政治活動の自由、参政権 などが基準

    参政権:政府の公共政策の作成と遂行に参加する権利。具体的内容としては、選挙権・被選挙権、公務就任権(公務員になる権利)など。参政権は主権から導き出される権利。政治活動の自由の究極形態。

3)ポリアーキーに適する主たる条件

  • 社会的・経済的多元化:多元的社会の存在(中間団体の活躍)
  • 社会的亀裂が少ない(階級、民族、言語、宗教などの分裂が小さい)
  • 参加型政治文化 (市民が積極的に政治に参加する)
  • ポリアーキーを尊重する政治リーダーの存在

5.近代の政治体制

政治体制:政治権力が社会内で広範な服従を確保し、安定した支配を持続するために形成する制度や政治組織の総体
三大政治体制の類型

  • 政党制
  • 国民の政治的自由の度合
  • 権力構造
  • などによって分析

(政党制とは、)要するに、政治が利益や意見を異にする人々による政治社会の集合的・公共的決定をめぐる活動であるかぎり、またとくに多くの民衆が選挙・投票などを通じてこの決定に参与する民主政治ではなおさら、利益を異にする人々の間に、政策決定をより自らの利益や主張に近づけるための競争、そのために「数の力」をつくろうとする争いが避けられない。そのため、党派(party)の生成は必然的だったのである。【引用『現代政治学』加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦ら著 p137 政党とは何か】

1)自由民主主義体制:

  • 複数政党制
  • 言論の自由、結社の自由
  • 権力分立

2)権威主義体制:

  • 一党制、あるいは限定的な複数政党制
  • 言論の自由、結社の自由の制限
  • 権力が一党もしくは、軍部、支配的エリートに集中。

ウィルソンは「民主主義を擁護するための戦争」を唱えて参戦したものの、第一次世界大戦は民主主義の勝利というわけではなかった。両大戦間期は、上述のソ連の台頭もあり、先進国の政治体制の選択肢として、1)議会制民主主義ないし自由民主主義、2)社会主義ないし共産主義、3)ファシズムの三者が提起された時代であった。さらに、軍部、教会、大土地所有者などの伝統的権威に依拠した権威主義体制の存在も無視できない。(1920年以降議会制民主主義の機能不全がみられ、権威主義体制へと転じていった。その要因は様々なものが挙げられるが、注意しておきたいのは多くの国が世界恐慌以前に権威主義体制に移行していることである。とつづく。)【引用『国際政治史 主権国家体系のあゆみ』小川浩之、板橋巧巳、青野利彦ら著 p96-97 ファシズムの登場】

3)全体主義体制:

  • 一党独裁
  • 言論の自由、結社の自由の弾圧(特定イデオロギーによる思想統一)
  • 権力が独裁的な指導者に集中。

※ファシズム (ナチス時代のドイツ、ムッソリーニ時代のイタリア、戦前戦中の日本の全体主義)

6.民主化プロセスの三段階

「立憲政治」概念の一般化:

憲法は国民から国家への命令、法律は国家から国民への命令、よって憲法が法律よりも上位であるという仕組みに慣れる段階。

「人権」概念の一般化

国家が国民に命令してはいけない行為領域があることを知る。「政治からの自由=市民的自由」の確保

「民主」概念

自分たちが政治に参加することで国家を動かすという意義を知る。「政治への自由=政治的自由」の確立。

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