関数たちの夜

雪山の山荘。
9人。
スキー客。
しかし彼らは関数だった。

名簿には9人全員が一次関数。
入力値の二倍を出力する。
いわゆる「ワイイコール二エックス」

9人でテレビを見ていると。
ニュース。
殺人事件の速報。
二次関数「ワイイコールエックスノニジョウ」が殺人を犯したとのこと。
山荘のすぐ近く。
もしかすると9人のなかに1人。
殺人犯の二次関数が。
一次関数を自称しながら。
スキー客に紛れ込んでいるかもしれない。

9人は話し合って。
二次関数がいるかどうか判定する方法を。
決めた。

1から9までの整数のうちどれか一つが重複なく書かれたカードを。
ランダムに割り当て一斉に出力し確認する。

そして9人全員に数字が割り当てられた。

ここで一斉に出力すれば犯人がわかる。

しかし。
キシュガルが言った。
「猶予を与えてやらないか。短い時間だが一緒にすごした。名乗り出れば自首ということにもできる。どうだろうか。」

満場一致。
名乗り出るものがいなければ。
深夜0時に一斉に出力することになった。
それまで自分の部屋で待機。

しかし。
誰も名乗り出ず。
仕方がない。
深夜0時に全員で一斉に出力した。




10
12
14
16
18

2を出力したアリシアが言った。
「ちょっとまって!少ないじゃない!」

4を出力したリペクチが言った。
「ガッサイオンがいないわ!ガッサイオンの部屋に行ってみましょう!」

ガッサイオンは部屋で突っ伏していた。

12を出力したエルンストが言った。
「これは・・・死んでる・・・?」

18を出力したイスターシバが言った。
「ちょっとまって・・・わからない・・・なんでガッサイオンが殺されるの?」

10を出力したザギディンが言った。
「いや・・・なんでっていうか・・・8が無いけど出力結果は全部2倍値だぜ?」

リペクチが言った。
「わ・・・私は・・・2を入力して4を出力したわ!」

イスターシバが言った。
「リペクチ・・・ちょっとあんた・・・2って・・・それってつまり・・・あんたが犯人でも2の二乗で4が出力されるじゃない!!!!」

6を出力したコウタロウが言った。
「じゃ・・・じゃあ・・・リペクチは逆に違うよ・・・殺人を重ねる意味がないじゃないか・・そのまま二倍値を装えるなら・・・誰も殺さなくても・・・」

イスターシバが言った。
「あ!ああ!わかった!わかったわ!出力値が2、4、6、・・・、16、18って2の倍数しかなかったら!誰だって4が怪しいってわかるわ!それが嫌で一人殺したんだわ!」

14を出力したファラオが言った。
「や、やめないか!もう一回!なにかしらの方法で確かめないか!」

16を出力したキシュガルが言った。
「よ、よし!もう一回やらないか?いまこの場で!この場で一斉に出力してみよう!全員1だ!そして1を出力した者が犯人!」









アリシアが言った。
「こ・・・これは・・・・」

コウタロウが言った。
「え・・・ど・・・どうして???」

イスターシバが言った。
「ぜ・・・全員シロ・・・・」

ガッサイオンが言った。
「ぐっすり寝ていてすまなかった」

キシュガルが言った。
「よ・・・よかった・・・犯人なんていなかった・・・」

エルンストが言った。
「」

おしまい

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