添削:排出権取引

学生が書いた文章(before)に対する添削(after)を公開しています。添削後に学生了承済です。多くの受験生に共有したいと思い公開しています。今回は「排出権取引について400字でまとめなさい」という課題です。取り組んでくれたのは編入学試験(国際関係→国際関係)を受験する大学2年生です。

(before)数十年前から地球温暖化は全世界が取り組むべき課題だ。2005年の京都議定書では温室効果ガスの排出量削減にむけて排出権取引のルールが定められた。これは、国や企業に排出枠を設け、排出の過不足に応じて排出の枠つまり排出権を売買する仕組みだ。超過した国が超過しなかった国から排出権を買うのである。これに伴って排出量削減の明確な基準を設定したことにより国や企業は進んで温室効果ガスの排出量削減に努めるようになった。また排出量を削減しやすい国や企業はその権利の売却から利益を得られるため、一層の削減努力が期待された。しかし排出量削減には課題もある。この制度で数値設定がされていない国々に工場の逃難を誘発する恐れがある。また途上国に先進国の企業が移転することで基準をクリアする場合もありうる。けれども、EUやアメリカの州では独自でこの制度を採用し始めており、特にEUでは域内で排出量削減の成功を収めている。

(after)数十年前から地球温暖化は全世界が取り組むべき課題だ。2005年の京都議定書では温室効果ガスの排出量削減にむけて排出権取引のルールが定められた。これは、国や企業に排出枠を設け、排出の過不足に応じて排出の枠つまり排出権を売買する仕組みだ。超過した国が超過しなかった国から排出権を買うのである。これに伴って排出量削減の明確な基準を設定したことにより国や企業は進んで温室効果ガスの排出量削減に努めるようになった。また排出量を削減しやすい国や企業はその権利の売却から利益を得られるため、一層の削減努力が期待された。しかし排出権取引には依然カーボン・リーケージなど課題も残る。カーボン・リーケージとは、排出量規制が緩い国々に先進国の企業が移転することで規制をクリアする行為だ。けれども、排出権取引は有効であるとされ、実際にEUやアメリカの州では独自で排出権取引を採用し域内で排出量削減の一応の成功を収めている。

(添削)数十年前から地球温暖化は全世界が取り組むべき課題だ。2005年の京都議定書では温室効果ガスの排出量削減にむけて排出権取引のルールが定められた。これは、国や企業に排出枠を設け、排出の過不足に応じて排出の枠つまり排出権を売買する仕組みだ。超過した国が超過しなかった国から排出権を買うのである。これに伴って排出量削減の明確な基準を設定したことにより国や企業は進んで温室効果ガスの排出量削減に努めるようになった。また排出量を削減しやすい国や企業はその権利の売却から利益を得られるため、一層の削減努力が期待された。(EXCELLENT!)しかし排出権取引排出量削減には依然カーボン・リーケージなど課題も残るあるカーボン・リーケージとは、排出量規制この制度で数値設定緩いされていない国々に工場の逃難を誘発する恐れがある。また途上国に先進国の企業が移転することで規制基準をクリアする行為だ場合もありうる(排出権取引の導入であらたに生じた問題というよりはむしろ、炭素税など既存の排出量規制でも議論されていた問題が解消されない懸念を伝えたい。)けれども、排出権取引は有効であるとされ、実際にEUやアメリカの州では独自で排出権取引この制度(専門用語はなるべく言い換えない。)を採用し始めており、特にEUでは域内で排出量削減の一応の成功を収めている。(排出権取引の課題に対して逆接「けれども」で繋いだ文章なので、有効、成功、にあたる内容がクリアに書けていないといけない。)

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