13世紀ヨーロッパ的現象、アルプス縦断の峠道、そしてスイス連邦の輪郭

スイス建国。1499年に事実上達成した神聖ローマ帝国からの独立。当時の版図をみても広大な神聖ローマ帝国領内に目玉のようなスイス連邦がある。そこに至るまでの過程で起った出来事として、13世紀に開通したザンクト=ゴットハルト峠という峠道の開通は無視できないだろう。アルプス縦断を可能にした新たな交通は13世紀ヨーロッパ的現象と相まってパワーとなり、スイス連邦の輪郭を形成したのである。

13世紀ヨーロッパ的現象。温暖な中世盛期の人口増や商業活動の活性化と相まって、ヨーロッパ各地に次々都市が立てられた。都市の政治は、帝国や封建貴族からの支配を受けつつも、法文書と知事による自治であり、当初は大商人や騎士層が担い手となるも、次第に政治意識の高い自由身分を巻き込んでいったと言われる。やがて自都市の権益保護を目的とした都市間同盟も盛んになった。

ザンクト=ゴットハルト峠開通の経済効果でアルプス山岳農民が自由身分を買い取ると、峡谷に共同体が出来上がり、都市と同様の自治がはじまった。峡谷共同体は、やがて峠道の軍事利用を目論む皇帝から、帝国直属の地位が約束されるはじめる(1230年以降)。峡谷共同体は、その地位をテコとしながら、ハプスブルグ家など封建貴族と対抗すべく1291年永久同盟を交わす。ここで国家として輪郭が明確になった。たとえば峡谷共同体で起きた事件は峡谷共同体が認めた裁判官による判決に従い、また盟約者間の紛争は仲裁で解決することなど取り決められた。

参考:『図説スイスの歴史』著)踊共二

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