過去問・ 関西大学社会学部社会システム専攻(3年次編入試験・2019年度)

問1
経済学的な人間モデルと社会学的な人間モデルの違いを対比したうえで、それが両方の学問のあいだの労働研究へのアプローチ(どういう側面に注目するか、など)の違いにどのように影響しているかを、総計300字程度で説明しなさい。

問2
2019年4月から施行されることになった「高度プロフェッショナル制度」(年収1075万円以上の一部専門職を労働時間規制から外すこと)の導入の趣旨について、あなたが「問1」で答えた「経済学的な人間モデル」ならびに「社会学的な人間モデル」のそれぞれとどういう関係をもつかについて総計300字程度で論じなさい。

解答例
問1
経済学的な人間モデルとは、効用関数と合理性で特徴づけられた人間モデルであり、ここで「労働」とは「所得を得るための非効用(=コスト)」として考えられる。社会学的な人間モデルとは、価値観と欲求で特徴づけられた人間モデルであり、ここで「労働」とは「自己実現の手段」として考えられる。(138字)
問2
賃金に成果主義が導入されると、所得が「労働時間」だけでなく「成果」にも依存する。ここで成果を得る努力が、経済学的な人間モデルでは低コスト化のための投資になりうるのに対し、社会学的な人間モデルでは自己実現を商品化する試みとなりうるのである。たとえばある難病の手術を成功させた医師には手当てがでるようになった病院を考える。この制度により、その難病の手術を予てから成功させたかった医師の努力は、経済学的な人間モデルでは所得をより低い時間コストで得るための投資となり、また社会学的な人間モデルでは自己の成功体験を商品化する試みとなるのである。(261字)
【参考】

『社会学入門-社会とのかかわり方-』筒井淳也・前田泰樹著 有斐閣ストゥディア

【関連する発展的な出題】お茶の水女子大学文教育学部人間社会科学科(3年次編入試験・2019年度)「日本の企業社会における人々の働き方についての問題点や改革の課題について社会学的に論じなさい。」

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