過去問・ 関西大学社会学部社会学専攻(3年次編入試験・2020年度)

問1
現代社会であなたが注目すべきと考える現象や出来事をひとつ取り上げ、(1)その内容を詳しく説明したうえで、(2)社会学であれば、それをどのような方法と理論を用いて分析するのかについて、他の学問(たとえば心理学や経済学や法学など)との違いを明示しながら、説明しなさい。

解答の着想例
社会現象:00年代に非正規雇用の若者が正規雇用者にならなかった

1.社会学
方法:面接法
結果:若年フリーターの多くが「やりたいこと」があるならば良い意味でフリーターだと考えていた。
関連理論:近代化論・近代社会論
前近代社会(伝統的社会):職業選択が自己選択でなかった
近代社会:職業選択が自由化・個人化され自己選択となった
関連理論:職業を通じた自己実現
「やりたいこと」とは職業を通じた自己実現欲求(マズロー)の表れ
関連理論:生き方ダイナミクスの変化
戦後~1980年代:自己の外部にあるもの「よりよい学校、よりよい会社」を目指す生き方
1990年代以降:自己の内部にあるもの「やりたいこと・将来の目標」から出発する生き方

2.経済学
方法:統計調査
結果:不本意型非正規雇用の実態(なりたくてもなれない)が明らかになった
関連理論:非自発的失業との類似性
非自発的失業(完全雇用水準より低い水準で総需要と総供給が均衡し生じる失業。投資や政府支出の過少で生じたりする)に陥った若者の救済措置として不本意型非正規雇用が機能するも、非自発的失業が常態化していた。

【参考】
『社会学をつかむ』西澤晃彦・渋谷望著 有斐閣
「若年非正規雇用者の社会学的考察‐「やりたいこと」志向の再解釈‐」益田仁(2006)
「非正規労働者の希望と現実‐不本意型非正規雇用の実態‐」山本勲(2011)

【関連する発展的な出題】上智大学文総合人間科学部社会学科(3年次編入試験・2018年度)「あなたが今まで学んできた学問と、あなたが知っている社会学を比較して、社会問題(社会現象)の具体例をあげて、その問題に対する二つの学問の接近(分析)方法について、概念、仮説、理論などから簡潔に記述しなさい(800字以内)」

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