過去問・埼玉大学教養学部グローバル・ガバナンス専修(3年次編入試験・2019年度)

「覇権安定論」を400字程度で説明せよ

解答例

覇権安定論とは、単一の圧倒的に強力な国家(覇権国)が存在するときに世界システムは安定するという理論である。ここで強力な国家と言ったさいに、軍事力、経済力、文化力の三つを言及する論者もいれば、経済力を強調する論者もいる。しかし軍事力のみに特化した「超大国(たとえば冷戦期のソ連)」を覇権安定論でいう「覇権国」とみなす論者は少ない。また世界システムの安定と言ったさいに、平和、自由貿易、国際金融システムの安定、さまざまなレジームの形成と安定、以上を包摂した包括的安定、など様々な可能性が考えられ、これも論者による。もしも覇権安定論が、強力な国家の存在が世界システムの安定の必要十分条件と論じるとすれば、17世紀のオランダ、19世紀のイギリス、20世紀のアメリカなどを考えたさい、経験的には賛意の難しいロジックになるだろう。

参考『新・国際政治経済の基礎知識』p28(編)田中明彦・中西寛

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