過去問・埼玉大学教養学部グローバル・ガバナンス専修(3年次編入試験・2019年度)

「輸出志向工業化」について400字程度で説明せよ

解答例

輸出志向工業化とは、国際価格での競争に国内産業をさらすことで、国内企業の競争活力を生み出し、それがひいては非効率な企業の淘汰と国際競争力を持つ国内企業の育成につながると考える経済成長の方策である。現実には、まず前段階として輸入代替工業化があり、その後に輸出志向工業化が興る。輸入代替工業化とは、海外製品に高関税を課して輸入を制限しながら、代わりに国内で生産をして、国内産業の保護と育成を試みる方策である。しかしそうした国内産業が直面する需要は国内需要で頭打ちであるから、やがては国内製品を輸出する方策への転換に迫られる。そうした経緯で輸出志向工業化が興る。また、たとえば台湾、韓国、香港、シンガポールの四カ国で構成されるNIEsは、日本や欧米諸国が貿易拡大によって成長する中、閉鎖的で保護主義的な経済運営では限界が早いとみて輸出志向工業化に舵を取ったと言われており、こうした世界経済の潮流が動機となる事例もある。

参考にした本:
『テキストブック 開発経済学』ジェトロ・アジア経済研究所 黒岩郁雄・高橋和志・山形辰史(編)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA