過去問・京都大学経済学部(3年次編入試験・2017年度)

※以前に過去問題の傾向と対策のコーナーに掲載していた記事です。

 前回に引き続き2017年度の京都大学経済学部の過去問について、ミクロ問2も受験生のレベルを考えれば必答です。限界生産性逓減とは、生産関数の第二次導関数が負であることをいいます。下記はβについてのみ、γも同様にして変域を導出します。

 「規模に関する収穫不変」とは、「規模に関する収穫一定」と同じ意味です。おそらく後者のほうが認知度の高い表記かもしれません。しかしあえて「不変」のほうで出題しています。なぜならそうすることで、たくさん本を読んできた学生か、参考書を一冊読んだだけの学生か、ふるいにかけることができるからです。要は、稲作で田を二倍にして農民も二倍にしたら米も二倍になるかどうかという話で、二倍になったら一定あるいは不変です。なお、もう一方の「逓減」とは、ここで米が二倍より少なくなることをいいます。

 そのようにして受験生に語彙力を求める一方で、求められる計算能力は単純に場数を踏んでいれば誰でも会得できるレベルです。コブダグラス型は生産関数の定番なので、その導関数の導出など案外慣れたものではないでしょうか。

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